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富山県140年

今日で富山県が置県され140年との新聞記事がありました。

もともと歴史が好きなこと、古い建物に関わる機会もあったため、
地域に眠る歴史文化遺産を発見し、保存・活用して、地域づくりに活かす能力を持った
建築士等の専門家であるヘリテージマネージャーの資格を勉強し、取得しました。

私たちの住む入善町は、分権の父である米沢紋三郎さんの出身地です。

修了課題として、私の住む地域の文化財に推薦したい建物の調査をきっかけに、
とくに今も建物がのこる、江戸末期から富山県置県のころをへて、
大正、そして昭和20年ごろにかけての、入善町の様子について調査をしました。

調査に協力いただいた建物やそのお話し、生活や息づかいまで伝わりそうな大福帳、
図書館の奥に眠っていた古い地図、
当時大流行したという古葉書や文献なども収集し、まとめました。

現在の地図から米軍の航空写真、古地図や証言のレイヤーを重ねあわせると、
古葉書の写真もどこで撮られたものか?
どれくらいの時代か?なども見えてきて、非常に面白いです。

同じように生活していても、当時はここに何があってと思いを寄せたり
何気なく見ていた小路や建物、場所や地形が生き生きと輝いてきて、町の見え方が大きく違ってきます。
またその後、明治ごろの建物の調査に関わる機会もいくつかあり、
時代背景などを感じながらの調査は、ほこりまみれの屋根裏調査ひとつでも、深みや楽しさが違います。

新たなものを創り出すだけでなく、
100年以上前の生証人、その作り手や住まい手の息づかいにも面と向かうこともできるこの仕事。
歴史好きの私には、改めて魅力を感じております。

さらにいろいろな町へと視野を広げたり、ときにはもっと微視的な視点で
過去、現在、そして未来へといったレイヤーを重ねる視点、切り口を行ったり来たりしながら
地域や建築と向かい合いたいと思う今日この頃です。